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インビザラインマウスピース矯正とその他のマウスピース矯正との違い


最近になって目立ちにくい矯正装置として、マウスピースを使った矯正方法が結構な割合で認知されてきた様に思います。

ただマウスピースでの矯正を考えてはいるんだけれども最近は色々なメーカーのマウスピース矯正装置があり、

”色々あってどれがいいのかわからない!値段が極端に安い装置は気になるが実際のところどうなのか?ちゃんと治るのか?” 

といったお悩みはないでしょうか。

メーカーごとの違いは大きく分けて以下のようになります。

①治療の流れ

②動かす事ができる歯

③治療費用

④治療期間

⑤治療実績

ただし現状ではインビザラインマウスピース矯正とそれ以外、といった様な極端な差があるのが事実です。(2021年時点)

そこで今回は当院が行っているインビザラインマウスピース矯正とそれ以外のマウスピース矯正の違いを簡単に解説いたします。

      

基本的にどの様なマウスピース矯正であれ、先ず現状の歯並びの型採りをして歯を動かすためのマウスピース(インビザラインではアライナーと呼びます)を治療に必要な枚数分、作製する必要があります。出来上がってきた複数枚のマウスピースは1枚づつ歯の動きに合わせて作製しているので微妙に異なっています。

そのマウスピースを決められた期間で順番に交換していくことにより、歯を少しずつ動かしていくというのがマウスピース矯正です。これはどこのメーカーでもほぼ一緒です。

当院でのインビザラインマウスピース矯正では歯並びの型採りの際に口腔内スキャナーを使用して歯型を採りますが、口腔内スキャナーが普及するまでは粘土状の素材で歯型を取り、その歯型を国際宅急便でインビザライン米国アラインテクノロジー社に直接送り、向こうに届いてデータ化された時点から治療計画の立案とマウスピース(アライナー)の作製を行っていました。

口腔内スキャナーを使用することによりいくつかメリットはありますが、何よりもアラインテクノロジー社へデジタルでのデータ転送が可能となり、治療計画の立案~アライナーの作製が即座に出来るようになったことで、矯正治療の開始時期を大幅に短縮出来るようになったことが大きいです。

インビザラインでは3D画像化したデジタルデータをもとに治療計画の立案、シミュレーション動画の作製を行ない、患者さま側の治療に関する要望はもちろん、矯正歯科学的な観点からの全体的なかみ合わせも全て考慮した最適な治療計画の立案を行います。

インビザライン以外のマウスピース矯正装置でも口腔内スキャナーを使用しコンピュータ上で治療計画を立てるマウスピース矯正もありますが、治療計画を立案するソフトがインビザラインとは全く異なる上、口腔内スキャナーを使用しないインビザライン以外のマウスピース矯正では石膏模型上で全ての作業を行っています。

インビザラインでは先ず初回の型採りで治療に必要な全ての枚数のマウスピースをすべて作製しますが、その他のマウスピース矯正では、次の段階での矯正装置につけ替えるタイミングでその都度、歯型の型採りを必要とするメーカーも存在しますし、また、患者さまがこのぐらいでいいかな・・・?と判断された段階で矯正治療を終わりとするメーカーもあります。

ただ、インビザラインにおいても治療途中でリファインメントといって治療計画の更なる修正、改善のために再スキャンを行い、新たなアライナーを作製する事はありますが、それとは全く意味合いが異なります。

 

インビザラインとその他のマウスピース矯正の一番の大きな違いは動かせる歯の本数(大臼歯を動かせるか動かせないか)の違いです。

大臼歯の周りの骨は固い上、歯も大きく歯を支える根も複数本あり、大臼歯の移動は簡単ではありません。
ただ、大臼歯を動かせると言う事は従来のワイヤー矯正と同等の矯正治療が可能であると言えます。

インビザラインの場合は、ケースにもよりますが抜歯を伴う全顎的矯正治療(大臼歯の移動を含めた治療)も可能であり、IPRといった歯と歯の間を空いてスペースを作り出来るだけ抜歯をせずに歯を並べたり、歯の表面にアタッチメントと呼ばれる樹脂状の白い突起を装着し歯に効率的に矯正力を与えたり出来る上、その他様々な補助装置を利用し、マウスピース矯正単独では苦手としている動きをカバーして治療する事が可能です。

それとは違いインビザライン以外のマウスピース矯正は前歯だけの部分矯正に限られている事がほとんどです。

前歯だけに限った部分矯正をメインに行っているその他のマウスピース矯正では、インビザラインほどの補助装置は充実していない上、前歯から小臼歯までの限定した移動に限られていることから適応症例は限定的となる場合が多いです。

そのためマウスピース矯正の選択でお悩みの方は、ご自身の一番気になる部分はどこであるのかを中心に考えて頂ければいいのですが、ご自身で前歯だけの部分矯正で治るかな?と思っている様な歯並びでも実際は奥歯を含めた全顎的矯正をしなければきれいに治らない場合が多いです。

程度によっては部分矯正である程度の改善は可能ですが、かみ合わせを含めたきちんとした治療、ワイヤー矯正と同等の治療結果を希望されるような場合はインビザラインでの全額矯正がベストであると言えます。


本格的な矯正治療が可能なインビザラインは優れた治療計画のシミュレーションソフトにより、非常に緻密な治療計画を作ることが可能な上、大臼歯の移動が必要となる全顎的な治療ケースが多い事から必然的にマウスピースの数も多くなり治療期間も比較的長期になる事からも、どこの歯科医院でもそれなりに費用がかかってしまします。

下の治療実績でも記述していますが、膨大な治療実績のデータ量に基づいたハイクオリティーなマウスピース矯正装置である事から、それがコスト面に反映された結果になっています。

それに対し他のマウスピース矯正は、シュミレーションソフトが簡易なものであったり、そもそもそのようなソフトが無かったりといったものや、前歯だけの限局的な矯正である事が多いので治療期間とマウスピースの作製コストを減らすことが可能となり、その結果費用を抑えることが可能となっています。

また、患者さまがこの程度でいいと思った時点で治療をストップできるようなメーカーによっては、製作する費用がその都度としていることもあり、さらに驚くぐらい安価な設定になっている場合もあります。

これも同様に治療期間とマウスピースの作製にかかるコストを減らしている事で低価格で提供できている反面、患者さん自身の意志で治療を終えることが出来るのでその様な治療方法を選択した場合、

「最初はプチ矯正的な考えだったけど、ん?あれ?なかなか変わらないな~・・・もう少し、もう少し・・・と更に改善を求めてしまった結果、最初の金額から予想以上に費用が掛かったのに結局いまいちな仕上がりで終わってしまった・・・これなら最初から多少高額ではあってもきちんとした方法で治療しておけば良かった・・・」という様な方も実際にいらっしゃいました。
結果として目立つところが多少マシになった程度の中途半端な結果に終わる可能性があります。

 

治療期間は、単純に動かす歯の数や移動量により期間は変わってきます。

矯正治療において歯は単に横に動かすだけではなく、引っ張り出したり、埋めたり、回転させたりといった複雑な動きが必要となります。

そのためインビザラインは上記の様な複雑な動きを与えながら、大臼歯も動かす全顎的な治療となることにより治療期間は比較的長くなることが多いです。(約6か月~3年)

それに対し他のマウスピース矯正は前歯辺りの部分矯正になりますのでその分治療期間は短くなります。(約3か月~半年)

 

インビザラインは矯正先進国アメリカで1997年に開発されたデジタルマウスピース矯正システムで、現在では日本を含む世界100カ国以上の国々に提供され、世界中で1000万人以上の治療実績がある信頼度の高いマウスピース矯正です。
その膨大なデータを基に、アライナーの素材や補助装置、治療計画を立てるシュミレーションソフトが常に改善されており、開発された当初のものとは全く別物といっていいぐらいのものになっています。

それを患者様に確実にフィードバック出来ている様なマウスピース矯正装置は現時点においてはインビザラインぐらいであり、この様な実績からもインビザラインは世界中の数多くの患者さまに選択されてきた信頼できる治療方法だといえます。

日本国内におけるシェアの高いマウスピース矯正もありますが、世界的にみるとインビザラインの実績とシェア率には遠く及びません。 (2021年時点)

また最近の安さを売りとしているマウスピース矯正装置は、日本国内でしか利用されていないものがほとんどです。

 

インビザラインとその他のマウスピース矯正の違いについて、簡単にではありますが説明させてもらいました。

決して部分矯正のマウスピースを否定するわけではなく、インビザラインにもインビザラインgoといった部分矯正に特化したマウスピース矯正もあり、当院でも扱っております。

適応とされるケースにおいてはご提案させていただいていますし、実際に施術させて頂いた患者さまには大変満足して頂けた結果となっています。


それぞれのマウスピース矯正にも特徴があり、結果として何を最優先とするかで選択肢は変わってきますので、患者さまご自身のご要望にあった方法を選択することが大事だと思います。

治療期間と費用を優先して部分矯正的な治療でよしとするのか、治療期間はもちろん、同じ高額な費用を払うのであれば見える所だけでなく奥歯のかみ合わせ等を含めたきちんとした治療を優先するのか・・・の違いです。

ただ実際の所、理想とする治療方法をご自身で判断されるのは困難ですので、クリニックにて審査診断してもらうのが一番望ましいと思われます。

当院では無料で矯正相談を行っております。インビザラインを用いたマウスピース矯正治療にご興味のある方は、是非一度、ご相談ください。