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© Séra Dental Clinic
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インビザラインマウスピース矯正治療の正確な治療計画を立てるためには、患者様の歯並びに関する様々な資料が必要となります。
正確な診断を行うにあたり、その資料の一つとして通常のレントゲンとは別に『頭部エックス線企画写真=セファログラム(セファロ)』とよばれるレントゲン写真が重要となります。
セファロレントゲンとは一般の歯科医院にはない矯正治療に用いる特別なレントゲンで、簡単に言うと首から上における顔の骨格を調べるためのレントゲン写真であり、ワイヤーを使用する従来からの矯正治療においても必ずと言って良いほど撮影されるものです。
セファロは正面と側面の2枚を撮影し、正面からのセファロは放置しておくと顎関節に影響がある顔の歪み、審美的に違和感を感じにくい顔の中心線と前歯の中心線(正中線)のバランス、矯正治療だけで顔の歪みや噛み合わせの改善が困難な場合、外科手術が必要なこともある顎の骨の対称性等を診るのに有効です。
特に側面のセファロレントゲン写真は矯正治療を始める際にとても重要な資料で、歯を支えている顎の骨の大きさや位置関係、歯の角度、口元と顔のバランスなどを分析し、どの程度平均値データから差があるかを判断するとともに、矯正治療の難易度を把握する場合の目安ともなります。
当院では歯列矯正を行う際、歯並びの見た目だけで最終的な治療方法を決定することはありません。なぜなら同じような不正咬合(歯並びが崩れている状態)でもその原因が色々と考えられるからです。
例えば上顎前突(出っ歯)と言うと単純に歯が出ているだけと考えがちですがそうではありません。
歯だけの問題とは別に歯を支えている顎の骨の大きさが関与している場合もあります。
歯だけが問題の場合
①上の前歯が外側に傾斜している(唇側傾斜)
②下の前歯が内側に傾斜している(舌側傾斜)
③上の前歯は唇側傾斜、かつ下顎前歯は舌側傾斜
顎の骨も関係している場合
①上の顎の骨が出ている
②下の顎の骨が後退している
➂上の顎の骨も出ているし、下顎の骨も後退している
つまり一概に出っ歯と言っても上記の様な様々な組み合わせが考えられるため、抜歯が必要なのか必要ないのかといった様なそれぞれの原因に応じた治療をする必要が出てきますし、どのタイプなのかわからないと最適な治療を行うことは出来ないという事です。
その他の受け口、過蓋咬合、叢生、空隙歯列、開咬といった不正咬合も同様です。
矯正治療においてはこのセファログラムを基に治療計画を立てることから、セファロ撮影なしというのはあり得ないと言い切れるほど重要な検査となります。
セファログラムがなくても矯正治療は出来ますが、確実な診断ができないため治療の質はかなり低下するだけでなく、治療前より酷くなってしまった、歯茎が極端に下がってしまった、奥歯で噛めない、思った様にきれいに並ばなかった、いつまでたっても治療が終わらない・・・という様な矯正治療の失敗やトラブルの要因ともなり得ます。
矯正治療を考えておられる方は治療方法がマウスピースであるかワイヤーであるかに関係なく、特に奥歯を動かす全顎的な矯正治療においては、必ずセファロ撮影、及びなぜこの様な治療方法が適切なのかといったセファロ分析の診断結果の説明がきちんとされるクリニックを選択されることが大切です。